ピアス=名誉の傷?

小学生、とくに男子小学生はちょっと大きめの傷を名誉の傷かのように誇る傾向にある。

 

男の子「先生、それピアスでしょ?

私「そうだよ」

男の子「それってピアス取ったら穴が空いてるの?

私「そうだね。まぁ、これ言うなればケガだからね

男の子「…痛かった?」

私「まぁ普通に痛かったよ。血ぃ出るし」

男の子「…」

クラスの暴れん坊な彼から羨望のまなざしを感じるのは、私の勘違いだろうか?

【私には】月組 NOBUNAGA−下天の夢−【無理だ】

*この記事は、この作品が好きな人には不快な表現が多いので、該当する人は読まない方がいいです…。

*私の怒りの矛先は演者でなく作り手に向いています。

 

 いやね、私は歴史好きだけど、今回の「NOBUNAGA」には「星逢」のようなディティールや趣は求めてないよ?
むしろ、信長とまさおの親和性のもとどれだけ既存の日本物をぶち壊して面白くしてくれるかってところを期待してたよ。
結果、そういう風にはなっていませんでしたね…。

 

もうとにかく話の筋だけはきちっとしてくれ!
誰がどういう気持ちで動いてるのかは、筋通してくれ!

そんなにこの信長嫌われなきゃいけないキャラクターか!?
なんか気付いたら全然人望ないんだけど。理由は一切不明。


信長だったらあるじゃん!
髑髏を盃にしちゃうとか比叡山焼き討ちとかそういう、極悪非道エピソードには事欠かない人ですよ!織田信長って人は!!
なのにその辺の話は出てこないから、なんでそんなに憎まれるのか全然分からない。
弟殺しのエピソード?
でもこの場面インパクト薄いし、そもそもこの時点で私は退屈で白目剥いてたので印象に残ってない。
あと、兄弟が理不尽に殺されるのはぶっちゃけ歴史あるあるだから、よっぽど力入れて描いてくれないと「はいはい早良親王パターンね」で済む。


あとね。一番解せないところ。

なんで、帰蝶を殺す→演説→みんな信長に心酔、なの?
帰蝶を殺す前に演説じゃだめなの?帰蝶を殺す意味あったアレ?
帰蝶=トップ娘役が無駄死にじゃねぇか!
もうこの辺の展開は本当噴飯物で。
信長に刃を向けてた家臣たちが、あっさり矛を収めちゃうんだけど、そんな「ごめんね☆(てへぺろ)」ぐらいの軽い気持ちで主君を裏切るのこの世界の武将たちは!?
信長といえば裏切りは絶対に許さない系大名じゃん!お前ら全員一族郎党皆殺しだよ!?

この辺で将軍の家臣が「もはや、ついていけない」って言うんだけど、私はこの話についていけないよ!!


それで、最後まさおが歌って幕が下りるから「あぁ…やっと終わった…」と思ったら、宣教師が歌い出したんだよね。

嘘でしょ?この話まだ続くの??


ごめん今の本能寺に比定するんだと思ってたわ…。

いや、確かに場所が本能寺ではなかったけど…もうそんなんさ、言い出したら全部…キリないじゃんこの芝居…。

もう、ずっとこのかんじが続くのね。

なんか気付いたら武将が増えてて、奥さんたちが増えてて、将軍一行が出てきてて…ここはなんの会場なの?こんなに広かったっけ??

何中なの?なにしてる最中なの??

合議中なの?それとも雑談中なの?

誰がウエクミ先生呼んできて……。
もうこれ以上は勘弁してくれ…。・゜・(ノД`)・゜・。

 

あと退団するトップ「人々の希望と恨みを背負って、天下をとる気概のあるものがわしを殺せ!」的なこと言わせといて、誰も殺さないのおかしくない?
自分の役割を担える者が自分を殺して、その座に着けって言ってるんでしょう?
神殺しでしょうここは!次期トップが!
神を殺して新しい世を作るんでいいじゃん!

ていうか、たまきちの役は一体なんなんだ!?

 完全正二番手なんだから、たまきちは「本能寺の変キリシタン黒幕説」に基づいての悪役かと思ってたんだけど、全然違ったな。

そもそも、こいつは信仰心も大してないっぽいし、イコール布教しにきた訳でもないっぽい。

裏切り者の末裔だなんだ言ってたけど、それと信長の件がどう絡むのか、全く分からん。

お前は何しに日本に来たんだ!?

 

本能寺で信長が言う「やっとわしを殺すだけの器になったか!」ってセリフは格好良いけど、こんな生命力のない信長誰が見たいの??
なんか私が期待してたのは、生命力に溢れ、新しい文化にガッつき、トンチンカンな衣装でドヤ顔してるような信長@まさおだったんだけど…。

 

なんか、作り手が後半で風呂敷畳む体力がなくなっちゃったのが見え見えというか。
全体的に雑!
頭を悩ませて一生懸命作ったとは思えない!!

後半の秀吉と光秀なんか本当ひどすぎる…。

信長含め、登場人物の考えが浅薄すぎるでしょ…秀吉は天下統一を成すんですよ…?

 

私がハズレっぽい公演はなるべく観ないようにしてるのもあるかも知れないが、ここ最近ではぶっちぎりでワーストの作品でした。

観てる間、はっきり苦痛だった。

 

自分の贔屓がこれで退団だったら…嫌だなぁ… 

私の好きな宝塚〜男役

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いろいろ掘り下げて考えてみると、なんだかんだで宝塚にはまった一番最初のきっかけは男役なんだよな~。

元々、自分が高校演劇で男役をやるにあたって女が演じる男の参考に某動画サイトで宝塚の動画を見たのがきっかけだった。
定期的に削除祭りされてるのはちょっと皮肉。。
 
初めて見た男役は、ともちんみっちゃん
ともちんを見て「宝塚にこんな男っぽい男役がいるのか!」と驚いた。
みっちゃんを見て「見た目男っぽくないのに歌い方と身のこなしで“男役”が成立している!」と驚いた。
 
とにかく、平沢進の言うところの”裏切り”に惹かれた。
私はこの裏切りが大好きで、裏切りというのは言ってしまえば“予想を裏切る”の裏切りだ。
アイドルにしろ映画作品にしろ私はこの“裏切り”が好きで好きでしょうがない!
宝塚はその最たるものだった。
 
だって女の身体で男を演じて成立させてくださいってかなりハードルが高い。
にもかかわらず、私が「まぁ、この程度かな?」と無意識のうちに作っていたハードルを宝塚は超えてきた!
しかも、そこには想像以上にバライティ豊かな男役の造形があった!
クオリティの高さとバラエティの豊かさ、縦軸と横軸両方に裏切りがあった!
 
ちなみに、動画サイトでの出会い以前、私はテレビでベルばらだけは見たことがあった。
正直、大半がロン毛にフリル服なので、その時点で男役の魅力は特に感じなかった。
しかし、動画サイトで見た男役たちはベルばらよりも見た目もキャラクターも多種多様で、それを見て初めて「かっこいい!」「おもしろい!」と思った。
いや今になってみればね。貴族ばかりと思ってたベルばらですが、その中にはアンドレの庶民的な色気があるとかそういうの分かるんですが、いかんせん初心者だし…。
そんなわけで、私は今も「ベルばらは上級者向けだから…」と初心者にはオススメしてません…。
 
そんなこんなで男役の表現の幅にやられた私はまんまと(?)宝塚にハマり。
母子共々、彩吹真央に落ち。
ヅカオタの道を驀進することとなり、現在ヅカオタ研7となるのでした。

グルメなリクガメ

うちのカメが、定番の小松菜・ちんげん菜以外で食べるものをまとめてみた(*´ω`*)

〜野菜編〜

⚫︎トマト

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リクガメが好きなエサの定番トマト。
うちのカメも大好きです(´∀`)
ただ、そのままだと皮が噛み切れないので適当に切れこみを入れてからあげてます。

⚫︎にんじん

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一度いちょう切りにして食べさせたらがっつきすぎて戻してしまったことがあるので、ピーラーや包丁で薄切りにしてからあげてます。
甘みは少ないのに結構食べます。

⚫︎ヤングコーン

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食べるかな〜?とあまり期待せず与えたら写真のがっつきよう
軸の太い方は自分で引き千切りながら食べるのですが、細い方はこう、縦に丸呑みしようとするので困りものです…。
次は切れ込みを入れてからあげよう…。

⚫︎レタス

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あんまりあげると弁がゆるくなるので加減してあげてます。
逆に便秘気味の時は意図的に与えてます。
好物らしく、小松菜やちんげん菜と一緒にあげても必ずレタスから食べます。
芯まで食べやすいのと水気が多いのが好きな要因かな?
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サニーレタスも食べるよ!

⚫︎大根の葉

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なぜか大根菜だけは茎まで食べます。
バッツンバッツンすごい音立てて。おいしいのかな?


〜果物編〜

⚫︎バナナ

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バナナは大好きみたいで、あっという間になくなります。
5cmぐらいすぐなくなります。(現在体重400g)
熟しすぎて人間が食べづらくなったバナナも平気でばくばく食べます。
柔らかくて食べやすいのもあるんでしょう。

⚫︎柿

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「痰の毒」「体が冷える」とかいうので、なんとなく大量にはあげないようにしてます。
固さの問題か、変に細かくしてあげないで人間が食べるひと欠片の1/2程度の大きさであげた方が食べやすそう。

⚫︎梨

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好き過ぎて写真のごとく口から溢れさせる始末。
これも細かくせずに与えてます。

〜〜〜〜
基本、甘みと水気がポイントっぽいです。
それにしてもリクガメは食べる姿がめちゃめちゃかわいいですね〜〜。
写真資料にも困らないわけです(´`*)

【万年筆】パイロットのCOCOON(コクーン)を買ってみたが…

最近、200円で買える万年筆Preppy(プレピー)で字を書く機会が増えたので、もうちょっとまともな万年筆がほしくなった。

とはいえ、まだ万年筆初心者の私に1万円以上の万年筆を買う勇気はなく、とりあえず5000円以下で買えるいわゆる廉価万年筆に手を出すことにした。

廉価万年筆もかなりの種類がある。色々検討した結果、カリカリ系でなくてかつ見た目が好みなCOCOONを買うことにした。

 

 

今回はインク瓶も使ってみたいのでそちらも購入。

以前から瓶のデザインとなによりネーミングセンスが好み色彩雫を購入。

 渋めの青にキュンとします。

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ちなみに実際の写真。

 

そんな訳でコンバーター(CON-50)も購入したのですが、何故かこのコンバーターだけ別業者による発送だったため万年筆とインク瓶が届いたのにコンバーターだけ手元にない状態に。

しかし、コンバーターの到着のために何日も書き心地を試せないなんて我慢できない私は、とりあえず付属のカートリッジを差し込んで試し書きをしてみた。

するとヌラヌラ書ける!preppyみたく堂々とインクがかすれまくることもない!インクフローかなりしっかりしてる!良かった!

~~~

そして、ついに万年筆とインク瓶に遅れること5日後、やっとコンバーターが届いた。

そもそもなんで万年筆とインク瓶買ったらコンバーター使うに決まってるのに同一業者で取り扱ってないんだよ…新参お断りかよ…などとブツブツ言いつつ開封しセット。

ネットで手順を見ながらインクを吸引していきます。

そして紙に書いていくと…うーん、なんだかカートリッジ使用時に比べてインクの出が悪い気がする…?そして、そのまま使い続けると確実に字がかすれまくるようになってきた。

 すぐさまインターネットで「万年筆 カートリッジからコンバーター かすれる」などなど検索をかけるもあまりこのケースは見当たらなかった。

たしか1件同じ悩みを抱える知恵袋かなんか発見したが、あまり解決には至らなかった。

そんな中、色々探しているとこんな記事に行き会った。

万年筆について質問です - PILOTのキャップレス万年筆のデシモ... - Yahoo!知恵袋

 もし、何度やってもインクの吸い上げ状態が悪い時は、ペン先を上にしてコンバーター内のインクを下げ、軸尻を回し、ピストンをペン先側に移動させ、コンバーター内の空気を押し出します。

その上で、ペン先を下に戻し、再度ボトルインクに浸けて、インクを吸入します(2度入れ、二段入れする訳です)。
そうすれば、インクがコンバーター内に満タン状態になるので、その状態で筆記してみて下さい。

現在は、コンバーター内に空気が入り過ぎ、空気循環が上手くいかず、インクフローを阻害しているのだと思います。
上記方法でコンバーター内の空気を減じ、気圧を変化することで、フローを改善する為の処置です。

 これを実践してみたところインクフローがかなり改善された!

 しかし、それでもまだちょいちょいかすれる…。

そこで、もう一度コンバーター使用手順を調べてみると少々気になることが…

 

私)コンバーターのピストンを下げる→万年筆に装着

あるネット記事)万年筆に装着→コンバーターのピストンを下げる

 

この辺あんまり詳しく書かれないというか、吸入前にピストンが下がっていることが重要ってかんじなので正直関係ない気もするんだが、後者の方が吸入前に万年筆の中の空気が押し出されそうな気がしなくもない。

しかし、後者で吸入+二段入れを試したところかすれが格段に減った

書き始めちょっとインクの出が悪いくらいで、あとはスラスラ書けるまでになった!

ただ書き始めインクがかすれるっていうのが万年筆あるあるなのかそうじゃないのか、いまいちよく分からないんで、コンバーターの不良or本体とコンバーターの不和の疑いは今だ晴れないのだが…。 

 

まぁ、同じ症状でお困りの方は是非参考にしてみてください…。

私は文具店に足を運ぶか否かもう少し考えます…。

でも、廉価万年筆だし初心者でどれが正常でどれが異常かの感覚も全く分からないから気が引けるんだよなぁ…。

 〜〜〜

追記

こんだけ書いといて身も蓋もないんだけど、思い切って別のコンバーター(CON-50)に替えてみたら見事にかすれなくなった。

まぁこの記事は一つの参考ということに…。

情緒不安定になる「ガイズ&ドールズ」雑感(11月7日(土)観賞)

 観劇後の第一声が「これ映画だったら絶対見たあと怒るやつだよね…」
 星組子は魅力的だった。みっちゃんは元々大好きだし、ふーちゃんは噂通りの可愛さだし、べには進化してたし、まさこはデカイし、しーらんは相変わらず好きだし。
 でも、ストーリーがあまりに好きになれないもんだから、気持ちがふたつに引き裂かれすぎて落ち着かないったらない…。

  不良VS風紀委員のドタバタコメディがやりたいんだろうなー。でも、実際のところそこまでのノリではなくて、そういう風には見えなかった。そこに宗教と結婚観なんて被せてくるから観ながら価値観が大混乱ですよ。

 まず気になったのは救世軍の扱い。最初はキリスト教原理主義的な立ち位置の教団なんだろうな、と思っていたら物語が進むにつれて、まさか
この教団がギャンブラーたちを救うんじゃないか…?な雰囲気にひやひや。結果、そこまでではないものの最終的には救世軍の勝ち?みたいな展開に。え?なに?これって元々キリスト教布教的側面のある作品なの?別に、宗教の教えに触れたことで救われる話ならそれはそれでいいんだけど、最初の方で救世軍は「やばいやつら」だなって風に見せてたじゃん。\悪魔よ去れ!/とかなんとか言って。

 まあでも、中盤ふーちゃん@サラは教団における禁忌(飲酒)を犯し、初めて教団の外の世界を知って恋をし、その喜びを全身で表現する。だから、サラが宗教の範囲外で、教団以外の場所で自分自身を見つける話になってくのかと思ったら別にそんなことはない
 そんでこのあと、みっちゃん@スカイとの賭けに負けたギャンブラーたちが教団へ大挙してやってくる。ここで一人ずつ罪を告白して何か乗り越えて各々ちょっとした成長をするとか、そういう話なるのかなーと思ったけど別にそんなこともなかった。つーか、ギャンブラーたちの罪も風紀を乱してるぐらいのものでなんだか良くわからない。
 全体的にどっちの組織にどんな視線を向けたらいいのか分からない。
 別に救世軍(宗教)を否定しろっていうわけじゃないんだけど、にしても最後に主人公が教団の一員になるっていうのがハッピーエンドとして描かれるのは気持ち悪いよ。まあスカイは他の救世軍メンバーほど熱狂的な信者って描写でもないし、そのへん気ぃ使ってんのかもしれないけど。でもなんつーかその程度の人間が一員になれるほど救世軍って緩い団体じゃなかったじゃん?そんな大学のサークルみたいなことでいいのか。

 なんか基本、話が分かりにくい。クラップゲームのルールなんて1ミリも分からねー。Wikipedia見た所、クラップゲームって一々なににどう賭けるか言うもんでもないのかな。でもだからって何の説明もないのはどうよ。せめて次どんな目が出たらネイサンが負けるのかとか、それくらい下っ端にでも説明させてよ。あそこの会話の内容ちっとも頭に入って来ないのよ。だってルール分かんないんだもん。会話の内容どうでも良くなるじゃん。正直、眠いのよ。折角べに@ネイサンがカッコイイのに。このシーンってネイサンに感情移入して応援すべきなんだと思うんだけど、もうこっちは何も分からないから。完全に置いてかれてるから。
もうどういう気持ちになったらいいのか分かんないのよ全体的に。

 あともうオチの価値観は、ブロードウェイ版のテンションで演られればギャグで済むんだろうけど、宝塚版は別にそこまでのテンションでもないので普通に時代錯誤でびっくりするし、不快。これ男女逆の立場で描かれてたら炎上もんでしょうよ。

 今後、再演するとしたらなー。「めぐりあいは再び」ぐらい全編コメディMAXのテンションで押し通すか、もうちょっと内容に気を使うか、一本物でなく90分くらいにまとめるか(=二本立てにするか)、で演ってくれたら観に行くかなー。

 すごく個人的なあれですが、みっちゃんで一本物のショー演ってくれたらすぐにチケットとる。

歴女的?星逢一夜の感想(10月3日(土))

 いやー、観終わったあと「七人の侍」が観たくなりました。たぶん、米をめぐる争いに村人が勝つパターンの作品が観たくなったんでしょうね。

 以下、考察というか感想をだらだら…。


藩主の子息・紀之介

 櫓で村の子どもたちと遊ぶ紀之介は、いつもどこかに「他の子とは違う」という要素がなんとなく入ってて、それが好きだった。その塩梅も、溶け込みすぎず浮きすぎずで…。
 最初の子ども時代では望遠鏡を持っていたり、江戸に行く前の櫓シーンでは、1人だけを履いていたり、下駄を履いていたり。
 藩主の子を描くんだから、当たり前っちゃ当たり前の小道具や衣装なんだけど、でも、そういうところを当たり前にちゃんと描いてくれるのが嬉しい!わけで。
 「どんなに村の子と一緒に過ごしても、この子は本当に溶け込むことはできない」っていう切なさが、場面に漂っていて好きでした。

小太刀の演出

 正直、紀之介が泉に小太刀を渡すのを見た時、最初は違和感があって。泉も「刀はお侍の命だっていうから貰えない」っていうけど、曲がりなりにも武士の子が小太刀とはいえ刀を渡すのは有りなのか?と。
 でもね。逆にね。小太刀なら有りかなっていうのと次男坊である紀之介なら有り得るかなって思ったら切なくなって…。
 この後、江戸に上った紀之介は割とあっさり江戸に染まって仕事頑張る人になるんだけど(たぶん尺の関係であっさりに見える)、小太刀を渡しちゃうのが紀之介の無邪気な次男坊らしさで、最後の次男坊スピリットだったのかと思うと…(´;ω;`)

将軍・吉宗

 パンフレットなんかのあらすじには「吉宗の時代」って明記されてるけど、劇中では「とある取り立ての厳しい将軍」って具合に描かれてた。別に架空の将軍だと思ってても問題ないような。
 でも、吉宗だと知っているとそれはそれで面白い部分もたくさんあって。そもそも吉宗といえば、なんたって暴れん坊将軍であり、名君で通っている。実は将軍就任以前にも財政改革で借金完済してるような名君・吉宗になら晴興が「誠心誠意仕えたい」という態度を示すのも分かるし、享保の改革の成功(異論は認めるよ!\(^o^)/)を思うと、吉宗の「お前が星を見る(大極を見る)と言うから取り立てたんだ」という台詞も説得力が増す。あと、なんだかんだこの改革は成功するんだと思うと、村への厳しい取り立てや一揆やりきれなさを感じすぎて胸が潰れる
 それから、ちょっとしたことだけど吉宗=倹約って頭があると、貴姫(ススキ)登場からの天野親子(田舎者)登場で粗末な身なりなのに晴興が気に入られる流れは、かなりスッキリ頭に入ってくるのでは。

江戸コンプレックス
 今回一番どひゃーっとなったのは、「源太のお嫁さんになるんよ!(1回目)」後の回想シーンでめっちゃ盛装の貴姫がどーんと出てくるシーン。私、基本的に最上級身分層のてんこ盛り衣装って大好きなんだけど、この貴姫が打ち掛けに盛りに盛って出てきた時には「視覚への暴力!」って思った。このシーンの前、祭りで着飾った泉が「江戸のおなごに比べたら私なんて…」て言うんだけど、客としては「いやいや泉の方が綺麗だよ!」なんて思うんだけど。でもね、高価なギラギラの簪と打掛の貴姫がバーンて出てきた途端、ああ、もうこの権力には逆らえないんだっていう圧力が半端ない。こういう視覚に訴えてくるシーン本当好き。

2回の土下座

 観劇前、「源太が2回土下座する」と聞いた時は「まじかよ…」って思って、同時に「いやいや文脈に寄るか」とも思ったんだけど、やっぱり本編見たら文脈的に自然な土下座で嫌悪感とか一切なかったです。

・1回目…貴姫との縁談断って泉(百姓)を娶ってくれ!という無茶な土下座(政治のことなんも分かってなくてアホっぽい印象)
・2回目…自分の要求は無理と思いながらも最後の望みをかけた土下座。(村や家族のことをしっかり考え抜いた印象)

…って感じで、1回目と2回目の土下座の比較で源太の成長が感じられて、むしろ好きな土下座でした(´`*)


悪役の不在
 ウエクミ先生の作風なんだろうけど、月雲も星逢も悪役が居ない。全員の行動に、ちゃんと共感できるだけの理由があって誰も憎めないから、見てるとジワジワ首を締められる思いをする。それが、日本物に妙に合ってるなーって。
 これ今、大河ドラマとかが同じ話作ったら「泉は村を飛び出て藩主(晴興父)に晴興との婚姻を直訴しにいく」とかそういう荒唐無稽な話にもなりかねないと思うんですよ。その辺、星逢はやっぱり上品で宝塚らしい作品だなぁと私は思いましたよ!
 あと、現代社会に生きる私たちには、「型破りな女が暴れる話」よりも「置かれた場所で、運命を受け入れてどう生きていくか」っていう話の方が現実的ですよね…。勧善懲悪も好きだけどさ…。



まぁ、そんなこんなで星逢とっても楽しかった!
楽しすぎてしんみりするのを忘れるぐらい楽しかったです。
2回目以降の方が泣けるって言ってる人が多いのがよく分かりました。
Blu-ray買わなきゃなぁ…。